8月31日(月)。今日の活動は紙コップ運びゲームです。輪ゴムに何本もひもを結んで、ひとり一本ずつ持つ。みんなで引っぱって輪を広げ、紙コップにかぶせて運ぶ——文字にすると簡単そうですが、これがひとりでは絶対にできない仕掛けになっています。
まずは、仕掛けの説明から
道具はとてもシンプルです。輪ゴムひとつに、ひもを何本か結びつけただけ。紙コップには色のシールを貼って、どのコップを運ぶかが分かるようにしました。
使い方はこうです。全員が同時にひもを引っぱると、真ん中の輪ゴムが広がります。広がったところで紙コップの上に持っていき、今度は力をゆるめると、輪ゴムがコップをつかみます。そのまま持ち上げて、運ぶ。
つまり、「引く」と「ゆるめる」を、全員でそろえないと動かないのです。ひとりが強く引きすぎても、ひとりが手を抜いても、コップはつかめません。
だから、自然と声が出ます
始まってすぐ、あちこちから声が上がりました。
「もうちょっと引っ張って!」
「あ、待って待って」
ここが、この活動のいちばんおもしろいところでした。「協力しなさい」とは、誰も言っていません。それでも子どもたちは、自分から相手に声をかけ始めます。
声をかけないと、コップが落ちるからです。
💡 「協力が必要な仕組み」を先に作る
協調性を育てたいとき、つい「みんなで仲よくやろうね」と声をかけたくなります。でも言葉だけで伝わることは、あまり多くありません。
それよりも、協力しないと成立しない仕掛けを、先に用意してしまうほうが早いと思っています。今回でいえば「ひもは一人一本」という条件がそれです。
仕組みのほうが整っていれば、子どもは放っておいても協力します。「やりなさい」ではなく「そうなってしまう」を作る。これは、ふだんの支援でも同じだと考えています。
ひもを引く手が、真剣です
写真を見ていただくと分かりますが、みんな、かなり真剣です。
紙コップは軽いので、少し力が偏るとすぐに倒れます。強すぎてもだめ、弱すぎてもだめ。ちょうどよい力で、しかもそれを持続させる必要があります。
先日の記事で、ボール転がしゲームの「力の加減」について書きました。今回はそこに、「相手に合わせる」という要素が加わっています。自分の力加減だけでなく、他の3人の力加減も感じ取らないといけない。ぐっと難しくなります。
成功した瞬間の「おおー!」
コップをつかんで持ち上げられた瞬間、あちこちで「おおー!」と声が上がりました。
この「みんなで成功した」という感覚は、ひとりで達成したときとは少し違うものだと思っています。自分ががんばったからでもあり、相手が合わせてくれたからでもある。どちらが欠けても成り立ちません。
そして、うまくいかなかったときも大事です。コップが倒れると、一瞬「あー」となります。でもそのあと、誰が悪いという話にはなりませんでした。「もう1回!」とすぐ次に向かう。
全員の責任だからこそ、誰のせいにもならない。この設計は、なかなかよくできているなと思いました。
この遊びで育つもの
ふりかえって、この活動で使っていた力を整理してみます。
- 力の調整——強すぎず弱すぎず、ちょうどよい力で引き続ける
- 相手を意識する——他の人の手の動きを見て、自分を合わせる
- 言葉で伝える——「引っ張って」「待って」を、その場で口に出す
- 待つ——自分の準備ができていても、みんながそろうまで動かない
- 切り替える——失敗しても引きずらず、もう1回に向かう
並べてみると、ずいぶん盛りだくさんです。それを子どもたちは「楽しいゲーム」としてやっていました。
ここが、遊びを使った活動のいちばん強いところだと思っています。「練習しよう」と言われてやることと、夢中になって気づいたらやっていたことでは、身につき方が違います。
🥤 おうちでもできます
用意するものは輪ゴム1つ、たこ糸などのひも数本、紙コップだけです。輪ゴムにひもを結びつけて、あとは引っぱるだけ。
ごきょうだいや、おうちの方と2人でもできます。人数が少ないときは、ひもを長めにすると動かしやすくなります。うまくいかないときは、まずコップを1つ運ぶところから始めてみてください。
日々の活動の様子は、Instagram でも発信しています。あわせてご覧ください。
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ガリューは、鹿児島県曽於市末吉町の児童発達支援・放課後等デイサービスです。
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