9月1日(火)。今日の活動はボールタワーゲームです。木の台の上に、カラフルな玉を一つずつ重ねて、どこまで高く積めるかに挑戦しました。使う力はバランス感覚、力加減、集中力の3つ。地味に見えて、じつはかなり手ごわい遊びです。
置く瞬間が、いちばん静かになります
玉を持ち上げて、タワーの上まで運んで、そっと離す。文字にすると3工程ですが、最後の「そっと離す」がいちばん難しいのです。
指の力をゆるめるとき、ほんの少しでも横に力が逃げると、タワーは倒れます。かといって、いつまでもつまんでいるわけにもいきません。持つ力を、ちょうどよい速さで抜いていく。大人がやっても、けっこう緊張します。
この瞬間、部屋が静かになります。周りで見ている子も、自然と息をひそめる。誰も「静かにして」とは言っていません。
高くなるほど、難しくなる
1段目、2段目までは、わりと簡単です。3段目から急に難しくなります。
高くなるほど、上のほうは小さな力で大きく揺れます。自分がそっと置いたつもりでも、下のほうから崩れていく。置く場所も、真ん中からほんの数ミリずれただけで倒れます。
だから子どもたちは、自然と体の使い方が変わっていきました。肘を机につけて手を安定させる子。息を止める子。反対の手をそっと添えて支える子。誰かが教えたわけではなく、うまくいかないうちに自分で見つけていきます。
💡 「そっと」を言葉で教えるのは、意外と難しい
「そっとやってね」と言っても、その"そっと"がどのくらいなのかは、伝わりません。強い・弱いは、体で覚えるしかない部分があります。
こういう遊びのいいところは、力が強すぎたかどうかを、道具のほうが即座に教えてくれることです。倒れれば強すぎた、立てば合っていた。大人が判定しなくても、結果が全部答えになっています。
先日のボール転がしゲームも、同じ考え方でした。力加減は、注意ではなく、くり返しで身についていきます。
崩れて、怒る子もいました
正直に書きます。タワーが崩れて、怒ってしまった子もいました。
あんなに慎重に積み上げたものが、最後の一つで全部倒れる。悔しくないほうが不思議です。本気でやっていたからこそ、崩れたときに怒りが出ます。
私たちは、その気持ちを止めませんでした。「そんなことで怒らないの」とは言いません。それも大事な経験だと思っているからです。
怒って、少し時間がたって、また積み始める。この「また積み始める」までの時間が、少しずつ短くなっていけばいい。今日は5分かかったとしても、半年後に3分になっていれば、それは立派な成長です。
積み上げているのは、玉だけではない
この日の活動をふりかえって、スタッフ同士で話していたことがあります。
このゲーム、経験そのものだな、と。
一つずつ、慎重に積み上げる。あるとき崩れる。悔しい。でもまた積む。そうやって積み直した回数だけ、次はもう少し上手になっている。
子どもたちがこれから重ねていく経験も、たぶん同じ形をしています。うまくいったことも、崩れてしまったことも、全部その子の中に積み上がっていく。そして、いつかその子自身の糧になります。
今日うまく積めなかったことも、悔しくて怒ってしまったことも、無駄にはなりません。崩れた経験は、崩れないように置く力に変わっていきます。
そう考えると、机の上でぐらぐら揺れていたあのタワーが、ずいぶん大きなものに見えてきます。
🎯 この遊びで使っていた力
バランス感覚……どこに置けば安定するかを、目と手で探る
力の加減……つまむ力を、ちょうどよい速さで抜いていく
集中力……置ききるまで、途中で気をそらさない
気持ちの立て直し……崩れても、もう一度やってみる
おうちでは、積み木やコップを重ねるだけでも代わりになります。高さを競うより、「そっと置く」ことだけを目標にすると、小さなお子さんでも取り組みやすくなります。
日々の活動の様子は、Instagram でも発信しています。あわせてご覧ください。
見学・体験を受け付けています
ガリューは、鹿児島県曽於市末吉町の児童発達支援・放課後等デイサービスです。
受給者証をお持ちでなくても、見学・ご相談は可能です。お気軽にどうぞ。
