「そろそろおしまいだよ」と声をかけても、遊びをやめられない。次の行動に移るたびに大泣きしてしまう——。ご家庭からよくいただくご相談です。今回は、ガリューの現場で実際に使っている「切り替え」の工夫を3つご紹介します。
なぜ切り替えがむずかしいのでしょうか
切り替えが苦手なお子さまは、「わがままを言っている」わけではないことがほとんどです。背景には、いくつかの理由が重なっています。
- 先の見通しが立てにくい——次に何が起こるかわからないと、今やっていることを手放すのが不安になります
- 時間の感覚がつかみにくい——「あと5分」がどのくらいの長さなのか、実感としてわからない
- 好きなことへの集中が深い——集中している状態から抜け出すこと自体に、大きなエネルギーが必要
つまり、切り替えの困りごとは「気持ちの問題」ではなく、情報の伝わり方の問題であることが多いのです。だとすれば、伝え方を変えるだけで、ぐっと楽になる場面がたくさんあります。
工夫① 時間を「目に見える形」にする
「あと5分」という言葉は、耳から入って消えてしまいます。そこでガリューでは、時間を目で見えるようにしています。
- 砂時計やタイマーを、お子さまから見える位置に置く
- 「針がここまで来たらおしまい」と、時計に印をつける
- 残り時間が色の面積で減っていくタイプのタイマーを使う
ポイントは、大人が終わりを決めるのではなく、時計が終わりを教えてくれる形にすることです。「先生が意地悪で終わらせた」ではなく「時間になったから終わり」に変わると、納得感がまったく違ってきます。
工夫② 「終わり」ではなく「次」を伝える
「おしまいだよ」は、お子さまにとっては楽しいことが奪われる合図です。そこで、伝える順番を入れ替えてみてください。
✕ 「ブロックはおしまい。片づけて」
◯ 「あと3つ積んだら、次はおやつの時間だよ」
終わりの先に楽しみがあるとわかれば、切り替えは「損」ではなくなります。おやつのような特別なことでなくても構いません。「次は水筒を飲む時間」「次は好きな絵本を選ぶ時間」——次にやることが具体的に見えているだけで、行動は動き出しやすくなります。
工夫③ 「自分で決めた」形にする
3つめは、選択肢を渡す方法です。
- 「あと1回にする? あと2回にする?」
- 「今片づける? この歌が終わったら片づける?」
どちらを選んでも、大人が望む結果にたどり着く選択肢を用意しておくのがコツです。お子さまにとっては「命令された」ではなく「自分で決めた」という経験になり、これが自己決定の練習にもなっていきます。
💡 うまくいかない日があって当たり前です
体調や睡眠、その日の出来事によって、同じ声かけでも通じない日があります。「昨日できたのに」と比べず、うまくいった日のやり方を少しずつ増やしていく——それくらいのペースで大丈夫です。
ガリューでの取り組み
ガリューでは、一日のスケジュールを写真やイラストで掲示し、活動の切り替わりが目で見てわかるようにしています。また、お子さま一人ひとりの個別支援計画の中で「どんな伝え方が届きやすいか」を記録し、スタッフ全員で共有しています。
ご家庭で試してみて難しかったこと、逆にうまくいったことがあれば、ぜひ送迎時や面談の際にお聞かせください。事業所とご家庭で関わり方をそろえていくことが、いちばんの近道になります。
見学・体験を受け付けています
「うちの子はどうだろう?」と思われた方は、お気軽にご相談ください。
受給者証をお持ちでなくても、見学・ご相談は可能です。
